【紹介】近畿地方のある場所について:禁断の地に潜む戦慄のモキュメンタリーホラー

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『近畿地方のある場所について』(著者:背筋)は、SNSや各種メディアで大きな話題を呼んだモキュメンタリー形式のホラー小説です。もともと小説投稿サイト「カクヨム」で公開され、1400万PVを超えるアクセスを記録し、書籍化もされました。2025年8月8日には映画化も決定しています。

この作品は、ドキュメンタリーの手法を用いて事実であるかのように表現されたフィクションであり、雑誌記事の切り抜き、インタビューの文字起こし、ネットの書き込みなど、様々な断片的な資料を組み合わせることで物語が展開されます。

あらすじ

物語は、オカルト雑誌のライターである主人公が、行方不明になった友人、編集者の小沢(おざわ)を探すことから始まります。小沢は、自身の担当する雑誌のバックナンバーを読み漁る中で、近畿地方にある特定の「ある場所(●●●●●)」に関連する奇妙な事件や怪談に共通点を見出し、その調査にのめり込んでいました。

小沢の失踪後、背筋は彼が残した膨大な調査資料や自身で集めた情報を「カクヨム」に投稿し、読者に小沢に関する情報提供を呼びかけます。読者はこれらの時系列がバラバラな資料を読み進める中で、点と点が線で繋がるように、ある場所で起きる怪異の全体像が少しずつ明らかになっていく構成となっています。

物語の中核をなす怪異と要素は、主に以下の3種類です。

  • 「山へ誘うモノ」または「まっしろさん」
  • 「ジャンプ女」または「赤い女」と「あきらくん」
  • 「石」

物語は、これらの怪異がそれぞれ独立しているようで複雑に絡み合い、互いに影響を及ぼしながら、世代や場所を超えて呪いを広げていく様子を描いています。

作品の最大の特徴は、読者自身を物語に引き込む「読者を呪いに巻き込む形式」にあります。

残酷な描写や突然襲われるような出来事はほとんどありませんが、日常にじわじわと忍び寄るような不気味さと、読めば読むほど深まる後味の悪い恐怖が魅力の作品です。

本作が提示する怪異の全体像は、近畿地方にある特定の「ある場所(●●●●●)」を中心に、複数の怪異が複雑に絡み合い、世代や場所を超えて呪いを広げていく様子を描いています。この「ある場所」は、県境をまたぐ山を中心とした地域一体で、多くの心霊スポットが密集しているとされています(モデルは生駒山と推測されていますが、作中では伏せられています)。

物語の構造と読者への影響

全体として、『近畿地方のある場所について』は、残酷な描写や突然襲われるような出来事はほとんどありませんが、日常にじわじわと忍び寄るような不気味さと、読めば読むほど深まる後味の悪い恐怖が魅力の作品です。多くの既存のホラー要素が凝縮されており、ホラー好きには特に楽しめる作品となっています。

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